株式会社アスカ・リサイクル文化社

アスカ・リサイクル文化社編集長「安藤根八」が日々の業務について語ります。

経済産業省「中古品安全・安心プログラム(案)」について。

先月27日(木)、「中古品安全・安心プログラム(案)」の認証の手続きについて、経済産業省から要請があったので、プレゼンテーションをしてきました。
昨日(10月2日)には、リサイクルショップ業界の専門新聞「リサイクル通信」(月2回発行)から電話取材も受けました。
この「中古品安全・安心プログラム(案)」に対しての私個人、弊社 ㈱アスカ・リサイクル文化社代表として、および「全国リサイクル・リユース研究会」事務局長として、そして「リサイクルショップ文化協同組合」代表理事としての考え方をここで明らかにしておきたいと思います。併せて、昨日に電話取材を受けて、説明不足もあったかと思いますので補足させていただきます。

プレゼンテーションをするということは、このプログラムについて全面的に賛同の意を表明しているかのごとく取られますが、それは違います。
実際のところは、この案の作成手順について非常に不満を持っております。消費者への安心・安全を図らなければならないことは、どのリサイクルショップも同様に考えております。しかしながら、プログラム案の内容を決めるに当たっては、そのプロセスが業界の総意を反映していないのです。

プログラム案そのものに対して、リサイクルショップ業界の意見を反映するためには、今後は「中古品安全・安心プログラム協議会」に参加して、業界の考え方を表明していかなければ、この認証プログラム案が勝手に一人歩きしてしまう可能性があります。このため、今回のプログラムの認証機関に応募し、手続きのプレゼンテーションを行なったわけです。

昨年4月のPSE、そして秋口から始まった「産業構造審議会消費経済部会製品安全小委員会」の会議の流れを見ていくと、いつの間にやらリサイクルショップ業界の声を無視した決定という形で推移していくに違いないと確信したわけです。
認証機関にしても、リサイクルショップ業界以外のISOやJIS等の認証を請け負う外部認証組織に委託という形になれば(私の杞憂で終わらなければ良いのですが、その方向性は確かにあります)中小零細のリサイクルショップでは考えられない金額の「SR認証」代金が必要となってきますので、実現不可能な事態となるのです。

消費者のために家電の安心・安全を本当に守るためには、“きっちりとした優良ショップと金儲け主義だけの悪質店舗”との差別化は必要です。それが、これまで真面目に中古品販売に取り組んできた店舗にとっても有益であることは間違いありません。
ただ、それが認証代金の高騰に繋がるならば、その代金を支払える余力のある一部の大手店舗のみしかSR認証が受けられなくなります。
「SRマークのあるショップのみが優良ショップ」ということになれば、高額な認証代金を支払えない零細小事業主の多い業界は潰されてしまう訳です。

リサイクルショップの数は、全国で数万店もあると言われておりますが、その実態把握は経済産業省もつかんでおりません。しかも、ショップの業態は、”父ちゃん母ちゃん“で経営している超零細事業主、数人の従業員を抱える小企業がほとんであります。
昨年4月のPSE問題の時、経済産業省はそのリサイクルショップの実態把握を行なっておらず、「PSEマークのない商品は販売してはならない」との法律を作成して実施しようとしました。

メーカーが出荷する新品ならば、この論理は分かります。循環型社会への移行が進む現在、消費者は「リサイクルして物を大切に」「新品を買うよりも少しでも安い中古品を」という機運が高まっているにも拘らず、経済産業省はリサイクルショップ業界を視野に入れずに、PSEをゴリ押ししてきたわけです。
結局のところ、「音楽関係のいわゆるヴィンテージ商品ならPSEマークがなくても販売OK!」「PSEマークのない商品もレンタル方式ならOK!」といったなし崩し策となり、今では「PSEマークのない商品でも旧電安法で検査済みだから販売OK!」という形に変わろうとしてきています。

しかし、そもそもPSEの問題は、「家電製品の多くが中古品としてリサイクルショップで販売されている」「リサイクルの流れが多くの消費者から歓迎されている」ということを経済産業省が認めていなかったことに端を発するのです。
これには「リサイクルショップの業界と話し合うのにその組織が存在しない」「リサイクルショップの実態把握ができていない」ということが、素原因であるわけです。

今回、「中古品安全・安心プログラム(案)」を作成するに当たり、経済産業省はまたもやPSEの時と同様、中小リサイクルショップ業界総体の意見を何等聞くことなく、その案を作成、発表しています。
そして、この案を発表すると各地で説明会を開催しましたが、その説明会の案内が届いたのはごく一部の業者のみでした。(全国リサイクル・リユース研究会の調査によると、この「意見交換会」の開催を知らなかったリサイクルショップ業者は80%以上でした)

経済産業省としても、リサイクルショップ業界をまとめあげた全国的な組織(または既存組織の連合体)との話し合いを持って、消費者の方々への中古品の安心・安全をいかに図るべきかの方針を打ち出すことが、急務であります。
また、リサイクルショップ業界としても、業界内を取りまとめた組織(または連合体)を至急に構築して消費者の安心・安全をいかに図っていくかを協議しない限り、経済産業省の机上の空論がどんどん進み、業界の意見の総意が経済産業省にも伝わりません。
それが中小零細業者の多い業界をつぶすことになり、リサイクル社会形成の進行を遅らせることになります。そして、いつまでたっても消費者の真の安全・安心は確保できません。

追手門学院大学副学長の地代憲弘教授が代表の「全国リサイクル・リユース研究会」では昨年7月、第2回シンポジュウムを大阪・梅田で開催しました。
「不正商品対策協議会」の高木俊氏、「ユニオン・デ・ファブリカン東京」の堤隆幸氏、そして「経済産業省商務流通グループ」消費経済政策課長の福田秀敬氏(現在は退官)に講演をお願いしました。
三氏とも「業界の安定と発展、そして消費者のためにも業界の一本化、または組織の連合化が必要不可欠」との結論で締めくくりました。

参加者は約100名でしたが、日本のリサイクルショップの組合9団体すべてが参加、北海道の古物商組合からは賛同の意を受け、また組織化がなされていないものの、九州で熱心に業界活動を行なっている方も参加、全国を網羅する業界代表人が集まりました。
ただ残念なことに、このシンポジュームでは講演会に参加した後、パーティーで意見表明をして頂いたのみで、同じテーブルに就いての話し合いの場は設定しませんでした。
私自身は、このシンポジュームが契機となって、今後の連合会団体の組織化が進めば・・・との思いもあったのですが、まだ機は熟していなかったようです。

PSE問題に端を発したSR認証制度は、消費者の安心・安全を確保していくべき見地から絶対に推し進めていかなければならない事案ではあります。
本当にリサイクルショップの業界団体を一本化した全国組織(あるいは連合団体)が結成されること。そしてその組織団体が中小零細事業の多い業界のために、SR認証の内容と認証手続きを考えていかない限り、SR認証制度は“絵に描いた餅”になってしまいます。
また、リサイクルショップ業界以外の外部認証組織と大手リサイクルショップ業者の利益のみを図って中小零細リサイクルショップ事業者をぶっ潰す結果となります。

消費者がノーメンテで家電製品を使い続けて経年劣化するのに比べて、リサイクルショップは商品をきれいにして作動テスト等検査も行って異常をチェックするのですから、消費者にとっても好ましいことであるはずです。
いわば、メーカーの安全施策のバックアップの役割も担っており、後はそのチェックを確実にする方法を模索していくべきなのです。
大金のいる認証制度では、結局のところSR制度自体は自滅せざるを得ず、消費者にとっての本当の安心・安全を図ることはできません。

全国リサイクル・リユース研究会としては、これ以上SR認証に関して紛糾するならば、業界の横の連絡網を明確化させるために、全国のリサイクルショップ団体の連合体を構築するように、各組織に訴えていかなければなりません。昨年は、各組織の自発性にお任せしたのですが、今回は連合団体結成の音頭を取らなければならないかも分かりません。
リサイクルショップ文化協同組合としては、PSE問題に対して怒りの狼煙を上げた関西圏のショップ300店を中心として、「関西のリサイクルショップの声」を集積していかなければなりません。
また、弊社 ㈱アスカ・リサイクル文化社としては、出版社として中立の立場から、真の業界発展に必要なものは何か、真に消費者の安心・安全を確保するには、どうすべきかを経済産業省、リサイクルショップ業界そして、社会全体と消費者に訴えていかなければなりません。今後の推移も含めて、逐次このブログで報告いたします。
もし、この拙いブログを見て何かの思いがある方は、弊社へのメールをお送りください。また、皆様のブログ等でもご意見を発表していただければ幸甚です。

投稿者 : 2007年10月03日 18:01

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